私鉄ローカル線に癒されて 1 「水間鉄道」

こんにちは、よこてんです。
いつもご覧いただきありがとうございます。

コロナ禍でソーシャルディスタンスが叫ばれています。しかしながら電車には乗りたいのが鉄ちゃんの弱点でもあります。どうするか。ターゲットは必然的に空いているであろうローカル線、ということになります。大阪からも比較的近距離でローカルムードが味わえる路線をいくつか訪ねてみたいと思います。

まず最初は、南海電鉄貝塚駅へ。ここから水間観音駅までの5.5キロを走る「水間鉄道」を訪ねます。

■ 水間観音への参詣列車
水間鉄道は、その名が示すように水間観音への参詣客を見込んで建設された路線で、大正14年に設立されています。創業当時より南海電鉄とのつながりは強く、長らく南海の譲渡車両が走る路線でした。かつては貝塚で貨物の受け渡しもあったと聞きます。現在は東急からのステンレス車両が走っています。

こちらが、その車両です。元東急の7000系になります。水間鉄道では1000形となっています。ステンレス製の東急の車両は錆びないし、さらに車長が18メートルと短く経済面で新車の投入が簡単にできない中小のローカル私鉄では絶大な人気を誇っています。ピカピカしていますが1963年製、わたくしとほぼ同年代です。早速乗車して水間観音へと向かってみましょう。

 

■ かつては壮大な計画も

電車は貝塚駅を出ると大きく左にカーブをきり、あとはほぼ直線で終着駅の水間観音駅をめざします。5.5キロの路線に途中駅が8つもあり頻繁に停車を繰り返しながら進んでいきます。ただ、途中でJR阪和線と交差しますがその場所にはお互いに駅がありません。南海とのつながりが深かった証ですね。歴史のなかでは阪和線はひと時「南海山手線」になった時代もあったのですが。

水間鉄道は短い路線ながら堅実な経営で知られていて、沿線の宅地開発なども行っていました。その中で途中駅の清児(せちご)から分岐して和歌山県の粉河までの路線を計画していました。大いなる野望ですね。結局は実現しませんでしたが現在でも宅地のなかに整地された未成線が残っている箇所があるそうです。

その水間鉄道もバブルがはじけて経営が悪化、現在は自社での再建を断念して「グルメ杵屋」の傘下で運営が続けられています。

 

■ 終着駅は一見の価値あり

終点の水間観音駅に到着しました。ご覧のように立派な駅舎で国の登録有形文化財にも選ばれています。また苔玉がたくさん飾られていました。水間観音へはここから徒歩10分程度で行くことができます。
構内には501形が保存されていました。わたくしが初めて水間鉄道を訪れた際はこの電車が現役でした。元南海の1201形です。パンタグラフが上がっているのが良いですね。
駅構内には車庫も併設されています。東急7000系の最大の特徴でもあるパイオニア台車がここではまだ健在です。
参詣客の、そして地域の足として頑張る「すいてつ」。そのスローライフなスピードに癒されました。

 

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