富山は鉄道先進国 2

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■ 地方ローカル線の新しいかたち

前回は新幹線開業に伴う富山駅の様子を写真でご紹介しましたが、全てが南口の出来事でした。富山駅には北口もありそちらを少しのぞいてみることにします。
北口を出てみると、ご覧のようにおしゃれなデザインの車両がやってきました。低床式で、一見外国のトラムを思わせる車両です。風船を持った女の子が座っている場所が車止めで、この反対側にJR富山駅の北出入口があります。
北口に到着したこの鉄道は、「富山ライトレール」と呼ばれ2006年に開業した日本で初めての本格的ライトレールです。ここ富山駅北口から岩瀬浜までの約8キロの路線です。ただ現在は「富山ライトレール」そのものは存在せず、令和2年2月に富山地方鉄道と合併、現在は富山地方鉄道が運営しています。

■ 前身は旧国鉄富山港線

いきなり、古い写真が出てきたのでビックリされたことでしょう。実はこの電車、富山駅で発車を待つ岩瀬浜行きです。実は先ほどの富山ライトレールですが、かつては富山港線という国鉄の路線でした。今から40年ほど前、高校時代に友人と富山港線を訪れたときの写真です。北陸本線は交流でしたがこの区間は直流1500Vで、都会から働き場所を移した旧型国電が走る異色の路線でした。前身は富岩鉄道という私鉄で1924年に開通、この富山駅を出た次の駅「富山口」が始発駅でした。その後富山地方鉄道富岩線を経て、国有化されています。
ライトレールに乗って岩瀬浜へと向かってみましょう。富山駅を出て次の駅は「インテック本社前」、続いて「奥田中学校前」、この駅の手前までがライトレールになって新しく敷かれた路線で、路面電車のかたちでゆっくりと走っていきます。奥田中学校前から岩瀬浜までは国鉄富山港線の線路をそのまま使用、専用軌道のようなかたちで終点岩瀬浜へと向かいます。ここからは結構なスピードで走ります。なお富山~富山口、そして合流地点までの旧国鉄路線は廃止されています。
しばらく懐かしい写真を続けます。雪の城川原駅で交換する、富山港線の車両です。
当時、行き違いのできる駅はこの駅のみでした。朝夕は30分間隔で列車がやってくる時間帯もありましたが、日中は60~90分間隔だったように記憶しています。72系73系と呼ばれるところの旧型国電を近代化改造した車両で、4ドアロングシート。言ってみれば101系や103系の先輩にあたるわけですが、当時は食パンのような顔であまり興味がわきませんでした。これに乗ったことは、今となっては貴重な体験だったのかもしれません。

 

城川原駅には小さな車庫があってクモハ40が休んでいました。こちらは少し、好い顔をしています。1両だけおそらく増結用にいたのだと思いますが、他の車両は非貫通車が多かった記憶があり、果たして幌が必要だったのかどうか気になります。もしかしたら中間に挟んでいたのでしょうか。
岩瀬浜近くだったと思います。うーん、走ってきたのか、後追いで撮ったのか、判然としない1枚です。行き先を表示する窓も「窓」だけで、乗務員室のドアも開けっ放し。一瞬、廃車回送かと思えるような、そんな雰囲気です。

■ 鉄道先進国 富山

岩瀬浜駅に到着しました。40年近い歳月を経て富山港線は見事な変貌を遂げていました。折り返し富山駅方面へと向かうわけですが、先進的なのはここからです。

今年3月、富山ライトレールは先述した車止めを取り除き、高架化された富山駅の下を通って南口の市内電車の線路をつなぎ、直通運転を開始しました。日中は15分間隔で運転されその全てが市内中心部に直通します。しかも運賃は市内電車の均一運賃が採用されて、岩瀬浜から富山ライトレールで富山駅へ、そこから富山地方鉄道市内電車と乗り換えて市内中心部に向かっていたときと比べて半額となりました。

地方ローカル線を存続させるうえで、富山の試みは極めて良い例ではないでしょうか。現在、宇都宮や岡山でもライトレール案が実現に向けて加速しています。ぜひ第二の「鉄道先進都市」を目指していただきたいと思います。

 

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