観光特急「しまかぜ」に乗る

こんにちは、よこてんです。
いつもご覧いただきありがとうございます。

筆者の自宅からJRが近くを走っていることは一番最初にお話ししましたが、もうひとつ、徒歩10分程度の場所に、JRを除く民営鉄道では最長の営業距離を持つ「近鉄」こと「近畿日本鉄道」が走っています。

■ 少年時代からの憧れ「近鉄特急」

近鉄と言えば全車座席指定の特急車が有名です。「ビスタカー」と名付けられた2階建て車両は少年時代、乗ってみたい車両のひとつでした。10000系の印象はないのですが、連接車の3両編成10100系は祖父に連れられて乗った記憶があります。10100系引退後「ビスタカー」を引き継ぐ3世、30000系は1978年に登場後、改造を加えられて現在もなお活躍しています。

最近の話題はなんといっても80000系「ひのとり」でしょう。大阪~名古屋間を結ぶ「アーバンライナー」21000系の後継車としてさらに上質の移動空間を提供、「スタンダード」と「デラックス」の2種類のシートを用意して3月にデビューしました。管理人は未体験ですが、コロナが落ち着いたところを見計らって乗車してみたいと思っています。

その他にも「伊勢志摩ライナー」「さくらライナー」など、鉄ちゃんをくすぐる車両が多数走っているわけですが、2014年にデビューした大阪、名古屋、京都から伊勢志摩へ向かう50000系観光特急「しまかぜ」は、最近でもチケットを取ることが難しい人気列車です。ようやく京都発の「しまかぜ」に大学時代の友人と乗る機会がありましたので、今回は体験談をお話しします。

 

■ なぜか京都からプレミアムな風を体験
近鉄京都駅です。前面は6枚窓で、種別灯兼テールランプは本体から吊り下げられたかたちの個性的なフェイス、先頭車はダブルデッカータイプの展望車両となっています。なんともワクワクする車両ですね。

乗ったのは2号車。2号車は残念ながらダブルデッカー車ではありませんが、座席はご覧のように「プレミアムシート」と呼ばれる本革を使用した、フットレスト、さらにはマッサージ機能まで付いたシートです。こちらは2列ならんでいますが、もう片方は1列で、ひとりで乗車されてもゆったりと楽しむことができます。すべてがグリーン車、それ以上でしょうか。ちなみに、このシートひとつの製作費で軽乗用車が買えると聞きました。

早くもビールを開けて呑み鉄モードですが、ここで皆さんには素朴な疑問が生まれてくるかと思います。
「大阪に住んでるのに、なんでわざわざ京都から乗るん?」

友人は吹田市に住んでいるので、京都発の選択もあるかとは思いますが、実は鉄ちゃんならではのいくつかの理由があります。
まず、「乗車距離が最長」。京都~賢島間が、大阪発、名古屋発よりも、もっとも「しまかぜ」に長く乗車できるのが理由のひとつです。
次に、「大和西大寺駅を経由する」。大和西大寺は線路配置が非常に複雑で、京都から大和八木方面に向かう列車は奈良線を横切るかたちで運転されています。これを「しまかぜ」で体験したかったのが2つめの理由です。
さらには、「新ノ口短絡線を通過する」。京都、大和西大寺方面~伊勢方面に直通する列車は、大阪線に進入するためこの短絡線を通ります。急行以下の列車は必ず大和八木で乗り換えとなるため、特急、しかも直通する1日数本の特急(京伊特急とよばれます)が走る短絡線を「しまかぜ」で体験してみたい、こんな理由で京都からの「しまかぜ」を選択しました。

京都を10時ちょうどに出発した「しまかぜ」は30分ほどで大和西大寺に到着します。ここでお楽しみの奈良線を横切るわけですが、当日は朝に奈良線で人身事故が発生した関係でダイヤが乱れていて、西大寺手前で少し待たされ約10分ほど遅れての到着となりました。
大和西大寺駅にある展望デッキです。大阪方を見ています。ちょっとわかりにくいですが特急車が走っていくのが京都方面です。左に延びていくのが奈良線です。
一般車両が京都方面からやってきました。乗車している「しまかぜ」はこんな感じで西大寺駅に進入します。反対の奈良方には西大寺検車区もあり、超複雑に配置された線路を渡って八木方面に向かっていきます。しかし、駅ナカにこんな展望スペースがあるなんて、近鉄はホント鉄ちゃんをくすぐる技を持ってますね。

■ 呑み鉄モード全開!! カフェ車両へ

西大寺を出発後、3号車「カフェ車両」に行ってみます。昼食には少し早いので「呑み鉄」の延長ですが。

 

 

この車両もダブルデッカータイプです。時間が11時をまわったあたりでしたので比較的あっさり座ることができました。新ノ口連絡線を通って大和八木に到着します。新ノ口連絡線の通過も楽しみのひとつでしたが、朝の人身事故がまだ影響していて、八木到着は25分遅れ。連絡線通過どころか線内でしっかり停車もしていただきました。

ここからは、遅れを取り戻しつつ伊勢方面へと快走します。大手私鉄では最長の新青山トンネルを越えると、名古屋線と分岐する伊勢中川を通過、八木から約1時間で伊勢神宮への玄関口、伊勢市、宇治山田へと到着します。

宇治山田を出ると次の停車駅は鳥羽です。新幹線もそうですが、最近はインターネットで予約、シートマップを見ながら好きな号車の、好きな座席を選ぶチケットレス特急券が一般的になってきました。当然、混雑状況も把握できます。せっかくですから先頭車にも座ってみたい、との気持ちでシートマップを見ていると、最前列が鳥羽から先は空席であることが判明。鳥羽出発と同時に早速のぞいてみることにしました。

■ 迫力の前面展望を楽しむ
先頭車ではご覧のように迫力ある前面展望を楽しむことができます。
座っているとすぐに車掌がやってきました。座席の上部に小さなランプが付いているのですが、おそらく購入履歴が全席管理されているのでしょう。趣味で2号車の座席からこちらに替わった旨を伝えると、「終点まで、どうぞこちらで」と快諾してくれました。

結局、遅れは最後まで引きずるかたちで、約20分遅れの13時10分に賢島に到着しました。
しばらくすると、大阪難波からの「しまかぜ」も遅れて到着、伊勢志摩ライナー、30000系ビスタカーも並んで、なんとも豪華な一コマです。

 

■ さまざまなシートが上質の旅を演出

「しまかぜ」にはプレミアムシートのほか、3~4名のグループで使用できる「和風個室」「洋風個室」、4~6名用のセミコンパートメント「サロン席」があります。個室は未体験ですが、サロンは今回とは別の機会に家族で体験しました。
定員は6名ですが4名から一室を使用できます。中央には大きなテーブルがあり、リクライニングはしませんが、シートの座り心地は上々でした。これだけのスペースを占有できるのも魅力的でした。

まさに上質のひととき、「しまかぜ」の上質は本物です。

 

 

 

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