国鉄型車両を訪ねて 10

こんにちは、よこてんです。
いつもご覧いただきありがとうございます。

今回の車両は1973年から82年につくられた、振子型特急車両の「381系」です。

381系と聞いて、まず思い浮かぶのが中央西線の特急「しなの」でしょうか。
木曽川に沿って走る中央西線は、両側を山に囲まれ、カーブの連続する路線です。当然最初は非電化でスタートしています。電化されると同時にスピードアップも図られましたが、カーブの多い区間のため既存の車両では劇的な変化が臨めませんでした。そこで開発されたのが、カーブで車体を傾ける装置を付け、スピードを落とさずに通過できる「振子型」と呼ばれる車両でした。結果は上々で、その後紀勢本線、伯備線に、電化と同時に配置されていきます。

JR東海に移管されてからも381系「しなの」は走り続けましたが、その後、後継車両383系に道を譲り、2008年に引退しています。

1978年には紀勢本線の電化にともない「くろしお」に投入されます。投入に先立ち、天王寺駅で車両の一般公開があり、管理人は見学に行った記憶があります。新車というのもときめきましたが、ハンドルをくるくる回して上げ下げするブラインドが、なぜか印象に残っています。現在ではカーテンに変更されているのですが。
車体はアルミ合金製で軽量化、重心を低くするため機器が床下に配置され、屋根上はパンタグラフのみでスッキリとした外観となりました。そういえばデビュー当時「つちのこ」と呼ばれていたのではなかったでしょうか。

381系の「しなの」に乗車したことはありませんが、「くろしお」は何度か乗っています。

381系のデメリットに「酔い」があります。通常曲線区間には「カント」と呼ばれる傾斜がつけられていて、外側に飛び出さないように、内側のレールが外側のレールよりも低くなっています。通常の車両ですと、カーブ手前で速度を落とし、じんわりと車体が傾いていくわけですが、381系の場合、高速でカーブに進入、さらに車体に設置された振り子装置により急激に車体を傾けるために気分が悪くなる乗客が続出、「エチケット袋」なるものも用意され車掌からもらうことができました。自他ともに認める「鉄ちゃん」であるところの管理人が、恥ずかしながら唯一気分が悪くなったのがこの「くろしお」です。学生時代、友人と白浜に海水浴に行った際でした。シートを転換させて進行方向とは逆に向いていたというハンデはあったのですが…。
写真は京都駅です。決してときめくようなスタイリングではありませんが、紀勢線のオーシャンビューを楽しんでいただこうと先頭車をパノラマタイプのグリーン車に改造しました。車両をまるまる1両新製することができなかった国鉄の苦肉の策でした。
特急といえばやはりこの配色が一番似合いますね。標準色を纏った381系ですが、愛称名は「はしだて」です。紀勢線に287系が投入され、485系改造の183系を置き換えるかたちで福知山区に転属した車両です。わずかな期間でしたが福知山線を走る「こうのとり」の前身、「北近畿」での運用もありました。かつて、福知山線電化の際に381系を投入する話があったらしいですが、赤字にあえぐ国鉄は車両を新製することができず、既存の183系による運行となったいきさつがあります。
JR西日本管内では、前述の紀勢線や山陰線では、2015年で運用を終了していますが、伯備線を経由して、岡山と山陰の出雲市を結ぶ特急「やくも」には、現在もなお381系が活躍を続けています。1982年に伯備線電化と同時に投入されていますので、すでに40年近くが経過したことになりますね。個人的にはいつまでも頑張ってほしいところなんですが、JR西日本から2022年度に381系を置き換えるとの発表がありました。
新車の声も聞かれますが、2022年といえば、北陸新幹線の敦賀延伸と重なります。コロナ禍で業績悪化の可能性が大きいこともふまえ、余剰になりそうな681系を直流車に改造して投入するのではないかと思っています。いずれにしても国鉄型特急車両の活躍もいよいよ終着駅が近づきつつあります。引退までにもう一度381系に乗って、酒をお供に心地良い「酔い」を味わいたいと思っています。

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