博多~長崎、そして有明海2/3周乗車記(3)
こんにちは、よこてんです。
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■ 路面電車で街歩き
景色の良いレストランで早めの朝食をいただきました。長崎駅からの出発までは、まだ時間があります。早朝ゆえ観光スポットは開いていませんがしばらく街歩きを楽しむことにします。「どこに行こうかな」と妻と話しながら、以前「ブラタモリ」で大浦天主堂付近にある斜行エレベータを紹介されていたのを思い出し、体験してみることにしました。
長崎は平野が少なく山が迫っている地形のため坂の多い町ですが、同時に階段も多く存在します。カーブしながら高度をかせぐ道路に沿って歩くよりも階段を通ることで短絡的に高低差を効率良く克服することができます。このホテルも高い場所に位置しますが階段を使って約20分ほどで長崎駅まで歩くことができます。途中外人墓地の中や旭大橋などまた違った発見もありました。
街歩きに欠かせないのが路面電車。「長崎駅前」から「石橋」をめざし市内電車1号系統に乗ります。
「新地中華街」で5号系統に乗り換えます。長崎の市内電車はどこまで乗っても130円(2021年10月1日から140円)で、指定の乗り換え駅では乗り換え券をもらうと追加で運賃を払うことなく乗車できます。
※2021年3月31日でこの取扱いはなくなりICカードのみ乗り換え有効となりました。
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5号系統の終点「石橋」電停です。「大浦天主堂」はひとつ手前の電停になりますが、めざす斜行エレベータの麓の乗り場は「石橋」が近くなります。
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■ 斜行エレベータを体験
「グラバースカイロード」と名付けられています。市内観光のガイドマップにも載っていました。麓の写真を撮り忘れてしまい、こちらは頂上の乗降口になります。
あまり気の利いた写真がなく恐縮です。このエレベータを使うとグラバー園の裏側から入場することができます。
坂道を下っていくとちょうど世界遺産、大浦天主堂を後ろ側から見ることができます。
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まだ大浦天主堂はオープンしておらず観光客はいません。でもこんな観光地もまた趣がありますね。「大浦天主堂」電停はここから坂を下った場所にあります。
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大浦天主堂からゆっくり出島のあたりまで歩いてみました。そろそろ修学旅行生が集まり始めていますが、わたくし達はこの時間で長崎を後にします。
■ 変貌をとげる長崎駅
ホテルを出て約2時間、街歩きを楽しんで長崎駅にもどってきました。現在西九州新幹線の開業工事で大きく変貌を遂げようとしています。この手前の空き地がかつての長崎駅のホームがあった場所になります。
昨日、長崎駅に着いたときに感じたのですが、この新駅から市電やバスに乗るために旧長崎駅の場所まで結ぶ通路、これが工事域を迂回させるからかあまりにも遠すぎるのです。
市電の「長崎駅前」電停からこの新しい駅に行くのに、まず旧長崎駅の改札付近を抜けてから旧ホームを端から端まで歩くかたちになります。車両でいえば8両分くらい歩くでしょうか。さらにそこから左折してこの空き地を横切っていきます。写真はちょうど左折する部分から撮った感じです。そして新駅の下の部分まで歩いてさらに左折、ちょうどブルーの安全カバーが掛けられているあたりにようやく改札があります。
「コ」の字型に歩くのですぐそこに見えてもすごく遠い。これは暫定的とはいえ観光地の駅としてはどうなのでしょうか。
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■ 長崎発は黒い「かもめ」で
待っていたのは787系です。1992年特急「つばめ」でデビューしてから早や30年が経過しましたが、精悍な顔つきはまったく古さを感じさせませんね。特急「かもめ」で新鳥栖まで向かいます。
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昨日同様グリーン車に乗車します。天井が高く落ち着いた雰囲気です。室内の奥側にはセミコンパートメントタイプの「DXグリーン」、客室に入る通路部分には個室もありバリエーション豊かですが、通常のグリーン料金よりやや割高になります。
9時48分、特急「かもめ14号」は長崎を出発しました。諫早ではちょうど島原鉄道の列車が出ていくところでした。昨日は大村線経由でしたが本日はこのまま長崎本線を走ります。
諫早を過ぎてほどなく有明海沿いを走ります。肥前鹿島付近まで美しい車窓風景を楽しむことができます。ただ、この区間は海岸線を縫うように走るためカーブの連続で、この区間の「かもめ」はゆっくり飛びます。
肥前鹿島を出ると海岸線から離れます。ここからは筑後川が流れる平野部となり速度も上昇、空飛ぶ「かもめ」らしくなります。
佐世保線との乗り換え駅肥前山口駅を通過して、新鳥栖駅が近づいてきました。
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■ 西九州新幹線の光と影
諫早から肥前鹿島までの長崎本線ですが、2022年武雄温泉~長崎間の西九州新幹線が開業すると平行在来線扱いとなり第三セクターに移管となります。この「かもめ」の運転も博多~肥前鹿島間となり「かもめ」の愛称もまた西九州新幹線が引き継ぐこととなります。
さらに驚いたのは、肥前鹿島から先諫早までは電化設備も廃止するそうで、このあたり、果たしてそこまでして新幹線を走らせるメリットがあるのかどうか、判断が難しいところです。交流電化方式のため経費がかかるのは理解できますが、となると、現状早岐~諫早間の大村線は非電化区間であり諫早~長崎間のみ電化区間が孤立化してしまうため、この区間さえもが非電化となってしまう可能性が高くなっています。
西九州新幹線に関しては佐賀県と長崎県との折り合いが悪く、武雄温泉以東の計画がたっていないというのもなんとも中途半端ですね。
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在来線の特急「かもめ」に乗るのも、もしかしたらこれが最後かもしれません。
新鳥栖に着きました。ここからは九州新幹線で熊本へ向かいます。
九州新幹線は開業して10年となりますが、わたくしは今回が初乗車です。
タイトルにある「有明海を3分の2周」するまでもう少しおつきあいください。