国鉄型車両を訪ねて 9 「キハ40系」 

こんにちは、よこてんです。
いつもご覧いただきありがとうございます。

今回は、キハ40、47、48の非電化グループ車両を訪ねます。1977~1982年の間にグループ全体で888両作られ、現在もJR東海を除く全てのJR管内で活躍しています。
◆2021年9月25日に動画を追加しました◆

■ 非電化区間の新しい顔

筆者の地元周辺も、今でこそ電化区間が増えましたが、少年時代はそのほとんどが非電化区間でした。関西本線も奈良線も非電化でしたし(関西本線は現在も加茂~亀山間は非電化)、桜井線、和歌山線もそうでした。片町線は長尾までは電化されていましたが、その先、木津までは単線非電化で、のどかな風景のなかを「キハ20」がのんびりと走っていたのを覚えています。
時折、急行で使う「キハ28・58」が普通の運用にはいっていることも多々ありました。高校、大学時代、地方のローカル線に行けば、キハ20形式の先輩格、キハ10形式が走っていたりもしました。その中で赤一色のピカピカの新車に出会うことがありました。それがキハ40形式でした。
高岡駅です。写真手前の2両がキハ47、最後尾がちょっと見にくいですがキハ40です。キハ47が片運転台でドアを中央に寄せた近郊型、キハ40はドアを車端部に設けたタイプで両運転台、ここにはつながっていませんが、片運転台タイプがキハ48となります。この他、車番台によってトイレの有無や、寒冷地仕様車などの区別がされています。
高岡から路線を延ばす、「城端線」と「氷見線」はどちらの路線もキハ40グループが配置されていて、必ず乗ることができます。

 

■ 第一印象は「カッコ良い」。気になったのはエンジン音

氷見線に停車中のキハ47です。
この車両に初めて出会ったとき、運転台が高くパノラミックウインドウ、裾絞りの車体で「これは格好ええやん!」と思いました。車内は一般的な4人掛けのボックスシートでしたが、従来の寸法よりも広めで、なかなかの好印象を持ちました。そんな印象のなか走り出すと、なんともこれが賑やか、というかどちらかといえばちょっと煩いくらいのエンジン音が。
この車両は新しいDMF15系を搭載していました。それまでの主力機関、DMH17が非力でとくに勾配区間に弱いということで開発、搭載されたわけですが、DMH17時代には、非力ゆえに急勾配を持つ区間には、機関を2基搭載した車両(キハ52や55、58など)を編成に組み込んで運行していました。比べてDMF15は高出力であり、1基搭載で対応可能と考えていたため、キハ40グループは2基搭載した車両は1両もありませんでした。ところが車両そのものが頑丈で重量もあったことから、逆にパワー不足となってしまい、勾配の急な区間では、キハ40形式だけでは編成が組めない状況もあったと聞きます。
現在は、出力不足を補うため換装された車両が大半を占めています。

 

 

■ JR西日本管内ではまだまだ主力

JR西日本管内の写真が多くなることをお許しください。こちらは津山駅でのキハ47です。姫新線、津山線、因美線が交わる要の駅も、今では短編成の気動車が時折やってくる駅になってしまいました。JR西日本管内にも数多くの非電化路線が存在しますが、以前にも触れましたようにJRになってから新製されたバスのような軽量気動車キハ120が幅を利かせていて、線区によってはキハ120のみ配置されているところもあります。ここ津山でも津山線の岡山~津山間こそキハ40グループの運用が多いものの、姫新線の津山~上月間は全て、因美線の津山~智頭間、姫新線の津山~新見間はそのほとんどがキハ120によって運転されています。
津山駅でキハ120と並ぶキハ40中国勝山行き。数少ない姫新線での運用です。キハ40グループのなかでもキハ40と48は、乗降ドアが両端にあり、かつての急行型の余韻を残した車両といえます。

動画は中国勝山駅到着のシーン。折り返し津山行きとなります。

写真はJR西日本の改造車キハ41です。元々は片運転台のキハ47で、単行運転が可能なように両運転台に5両が改造されました。新しく生まれた顔がこちら。う~ん、どうも締まらないですね。ちなみにもう一方は従来の顔です。主に播但線の生野~和田山間で運行されています。

■ 出世した車両も

 

最近のリゾートトレインブームのなか、キハ40グループは観光列車として様々な改造車両が存在します。写真はその中でも比較的初期に改造された「瀬戸内マリンビュー」で、瀬戸内の他島美を楽しめる呉線を走りました。キハ47の改造車で2両編成、そのうちの1両を船のキャビンを連想させる客室に改造、臨時快速列車の指定席扱いというかたちで2005年に運行をはじめました。もう1両は自由席車で、こちらのほうの車内はあまり変更はありませんでした。指定席の座席は広めのスペースがウリでしたが、残念だったのはシートピッチが窓とマッチしていないところ。写真のようにしっかり窓をキープできる座席もあれば、そうでない座席もあり、当たり外れが大きい車両でした。2019年に運行終了、新たな観光列車として生まれ変わる予定です。
JR各社はこのキハ40グループを多く観光列車に改造していて、特にJR九州は「はやとの風」や「やませみ・かわせみ」など特急車両として活躍中です。また「或る列車」やJR西日本の「あめつち」に至ってはグリーン車仕様ということで、かつての経歴を知る者にしてみれば、「ものすごい出世したなぁ!」という感じでしょうか。「或る列車」に関して言えば食事を楽しむコンセプトもあり、新形式「キロシ」まで生み出してしまいました。

 

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