駅は語る

こんにちは、よこてんです。

福井県の有名観光地といえば、まず国の天然記念物、「東尋坊」が思い浮かびます。そそり立つ断崖絶壁の大迫力、さらにはお土産屋さんのイカの姿焼きも美味ですね。
そんな東尋坊の近くに、えちぜん鉄道の「三国港」駅があります。東尋坊まではバスで10分、遊歩道を歩いて30~40分程度です。
えちぜん鉄道は、福井から恐竜で人気の勝山へ向かう「勝山永平寺線」と、ここ三国港までの「三国芦原線」の2路線を持つ鉄道です。かつては京福電気鉄道が運営していましたが、2000年、2001年に連続して正面衝突という重大な事故を起こし営業停止となってしまいます。廃止の声も聞かれましたが、3セクで再開、現在に至っています。
京福の「福」は福井ですよね。では「京」は、となると京都になり、現在の「嵐電」が京福電気鉄道、それから「叡電」も、元々は京福だったので、もしかして京都と福井を結ぶ壮大な計画があったのでは、と思われるかもしれませんが、実際はそうではなく、経営に携わった京都電燈(日本初の電力会社)が建設した送電線が「京福送電線」という名前であったところからきています。
山陽電鉄のところでも触れましたが、ここでも電力会社が、作った電気の安定供給先を求めて、電鉄会社の経営に参画しています。

それにしても、ホームが長いとは思いませんか?これには理由があります。
この鉄道、免許取得は「加越電気鉄道」でしたが資金難で建設できず、そこに京都電燈が参入、「三国芦原電鉄」という名前で建設しています。福井口から温泉地で有名な芦原を通り、この三国港の一つ手前、「三国」まで1929年に開通しました。
そして、1932年に三国から東尋坊口まで線路を延長しました。その「東尋坊口」がこの駅かと思いきや、実はそうではないのです。

それより以前にこの駅はすでに存在していました。国鉄三国線が、金津(現在の芦原温泉駅)からここ三国港まで1913年に開通していたのです。当初は三国駅の構内扱いということで、港湾への貨物の積み下ろしを行っていました。
ホームが長いのはこんな理由があったのです。
また写真左側が海側になりますが、かつてはこちらにもホームがありました。現在は整備されて駐車場となっています。

三国港の終点部分。機回しができるようになっています。
では、東尋坊口駅はこの先にあったのでしょうか。実はまったく違う場所にありました。
このあたりの地形は、平野部が少なく丘陵部が海岸線のすぐそばまで迫っています。東尋坊口は三国から高度をあげて丘陵部のあたりにあったとされています。
三国から東尋坊口までの区間は戦時中に不要不急路線として休止となります。また、芦原、三国間をほぼ並走していた国鉄三国線に至っては全線が休止となりました。その際、京福は三国から三国港までを貸与されるかたちとなり、非電化であったこの区間を直流600V化して営業、今日に至っています。
三国、東尋坊口間はそのまま廃止となりました。
戦後、国鉄三国線も一旦は芦原まで営業を再開しますが、1972年に廃止となります。海水浴シーズンには三国港まで国鉄の列車も乗り入れたそうですが、元々自社の線路であったところに乗り入れるというのも、戦争が残した悪戯でしょうか。
三国港を出てすぐのところに、趣のあるレンガ橋があります。国鉄三国線時代に作られたものです。この上は市道になっていて、通行可能です。
京福時代は、元南海や阪神の車両が余生を送っていました。現在の車両は愛知環状鉄道からの譲渡車が大半を占めます。
駅舎も改造はされていますが、国鉄時代のものです。左上に「テキ6」の写真が掲げられています。
可愛い機関車で、現在は勝山駅の構内に保存されているそうです。
駅ひとつをとっても、様々な歴史がありますね。

 

 

 

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