超レア「臨時準急」に乗って運と鉄分を授かる 1

こんにちは、よこてんです。
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■ 12年に1度の超レア準急 

2022年の幕が開きました。今年は寅年、わたくしは当たり年でもあります。

寅と言えば毎年のように盛り上がるのは「阪神タイガース」ですが、新春の寅年にひと味違う賑わいをみせるのが信貴山です。聖徳太子が毘沙門天よりご利益を授かったとされる山で、それが寅の年、寅の日、寅の刻であったことから、そのご利益を授かろうと寅年の信貴山は例年以上に盛り上がります。その毘沙門天が御本尊の「信貴山朝護孫子寺」は、境内の「張り子の虎」もインパクト大です。

 

信貴山まで参拝ルートを確立しているのが近鉄です。「寅年の信貴山へのお参りは近鉄で」ということで、今年、超レアな臨時列車を走らせました。

それが、信貴山口行きの「臨時準急」です。
普段の運用は大阪線の河内山本から信貴線の信貴山口間を往復するのみですが、臨時準急は大阪上本町から直通運転、しかも信貴線が2両編成しか対応できないため、始発の上本町から2両で運転するのもレアです。
運転日は1日~3日と8日~10日の6日間、運転本数は上本町発10時、11時、12時の3本です。寅年限定の臨時準急に乗り、せっかく信貴山口まで行くのなら最近リニューアルされたという西信貴ケーブルにも乗って信貴山で運を授かろうと、1月2日「乗り鉄」を敢行しました。

近鉄八尾駅、通称「きんやお」の中央改札口です。

先発列車と次発列車を示す案内板にご注目を。すでに準急「信貴山口」行きの表示が出ています。本日運行される第一便です。

到着時刻が近づいてきました。やや見えにくいですが、ホームの端にはたくさんの「撮り鉄」が集結しています。

■ 前と後ろで違うサボ

そんな中、2410系の臨時準急がやってきました。サボが良い味を出しています。
短い2両編成ゆえに正直なところ乗車できるのかどうか心配でしたが車内は立っている人は多いもののそれほどの混雑ではありませんでした。

 

「河内山本」に到着。ここから信貴線へと入ります。

隣のホームに、信貴山口から戻ってきた1430系が到着して肩を並べます。普段信貴線はこの車両が使われていてこの区間を行ったり来たりしています。
こちらは上本町側になりますが、信貴山口側とは違って白ヌキのサボが取り付けられていました。前と後ろでサボが違う、このあたりが近鉄らしい「鉄ちゃん」への配慮ですね。

■ 近鉄信貴線はミニ登山鉄道

 

近鉄信貴線は河内山本~信貴山口を結ぶ2.8kmの全線単線の路線で1930年に開業しています。短い路線ですが「河内山本」を出ると一気に山が近づき、線内唯一の途中駅「服部川」から「信貴山口」までの1kmの区間は近鉄で最も急な40‰が存在する急勾配が連続します。
河内山本から僅か5分、終点信貴山口に到着しました。

実はこの直通準急、1967年までは運転されていました。廃止になった理由としては、都市の発展に伴い輸送量が増えたため本線上を2両で走ることが困難になってきていたようです。1967年と言えばわたくしは5歳、残念ながらこの直通列車は記憶にありませんが、当時大阪線の各駅停車は4または5両編成、準急は3両編成であったと記憶しています。ただ小学生のころ信貴山口駅のホームに行先表示器(当時は行先にランプが灯る形態でした)があり、当時は現在と同様終日山本~信貴山口間の折り返し運転だったため、常時「山本」が点灯していたのですが、その隣りに「上本町」(大阪だったかも)という文字があり「ここから上本町行き無いのになぁ…」子供ながらに不思議に感じていたことを思い出します。


準急の運行はここで終了、サボを交換してここからは折り返し河内山本行きの各駅停車として運転されます。
普通のサボも用意されていてなかなか心憎い演出でした。

■ 昭和レトロなケーブルカーで山上へ

ここから信貴山朝護孫子寺へは西信貴ケーブルに乗り換えることになります。
1957年製の車両は「ずいうん」と「しょううん」という名前が付けられています。
最近リニューアルしたと前述しましたが、実は塗装を復刻していて少年時代に乗った懐かしい色になっていました。
車内の様子です。ご覧のように天井が透明になっていて大阪平野の眺望を楽しむことができます。
麓の信貴山口から山上駅の高安山まで1.3kmを7分で結んでいます。このケーブルも信貴線と同じ1930年に開業しています。
高安山駅です。
信貴山朝護孫子寺へはここからさらに信貴山門行きのバスに乗り換えます。先ほどのケーブルカーに乗っていた全てのお客さんがバスに乗り換えて信貴山方面へと向かわれました。
ここから信貴山門まで約2km、現在は近鉄バスが走っているのですが実はこの区間にかつて電車が走っていました。
信じられないかもしれませんがここはケーブルカーで上がった山の上です。
次回は、この山上鉄道の痕跡をご紹介いたします。

 

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