国鉄型車両を訪ねて 11 「185系」

こんにちは、よこてんです。
いつもご覧いただきありがとうございます。

毎年3月には全国ダイヤ改正が行われ、そのタイミングで引退、運行終了する車両、列車も少なくありません。今年、中京地区ではかつてSLを追いやった凸型のディーゼル機DD51型が引退しました。そして関東では、国鉄時代から特急「踊り子」として走り続けた185系が定期運用から外れました。DD51は四国を除く全国区でしたが185系に関してはその運用は関東に限られ、関西に住むわたくしにとってはなじみの薄い車両でもあります。ただわたくしの好きな117系の弟分でもあり、なんといっても国鉄型です。一昨年友人と乗車する機会もありましたので、今回惜別の思いも込めて少し触れてみたいと思います。

■ 普通から特急まで使用できる車両として産まれたが…

185系は1981年(昭和56年)、普通列車でデビューしています。それまで急行仕業を担っていた153系の置き換えというかたちで構想されましたが、途中で「特急にも使いたい」ということになり、「普通から特急まで使用できる万能車」として作られました。117系もそれまで新快速の運用に就いていた153、165系の置き換えで産まれていますので目的は同じ、さらには、乗り心地、居住空間も意識され、台車も同じDT32、車内は転換クロスシートを採用、ここまでは兄貴とそっくりですなんですが、特急仕業を考慮、ドア位置に関しては当初117系と同じ中央部に寄せた両開きの近郊タイプにする予定にしていたのを、153系に準じたデッキ付きを採用、両端に寄せて片開きとなりました。

運行当初は、デッキ付きにしたことで乗降に手間がかかり普通運用の際は遅れが続出、また新車ではあるものの、座席はリクライニングしないため特急としては設備がお粗末で、料金不要の117系「新快速」とよく比較され「特急と呼べない特急」であったそうです。万能車といえば聞こえは良いですが、実際のところは赤字に悩む国鉄の、種別ごとの新製車が作れない極めて中途半端な車両であったことは否めません。

 

■ 初乗車は思いがけずやってきた

185系の初乗車は思いもよらないかたちでしたので、ご紹介いたします。
それは学生時代の夏、友人と北海道を旅行した帰りのことでした。

当時はまだ青函連絡船の時代で、函館を0時過ぎに出る連絡船に乗って、早朝、青森発の特急「白鳥」で大阪へ帰る予定でした。ところが羽越本線を走っているときに車内放送で「この先柏崎付近で集中豪雨のためダイヤが乱れている」との一報がはいりました。それでも「白鳥」は比較的スムーズに走り若干の遅れだけで新潟に到着、振替輸送の話もありましたが「大阪方面へ向かわれる方はそのままご乗車ください」とのことでしたので、「たいしたことないな」と思いそのまま乗車することに。

状況が大きく変化したのは新潟を出てからで、「この先運転を取りやめる可能性がある」という連絡があり、「大阪までの切符をお持ちの方は長岡から振替乗車の手続きをする」とのこと。当時わたくしは、上越新幹線も未乗でしたので、内心ウキウキしながら長岡で「白鳥」を降りました。

しかし、新潟から来た上越新幹線は超満員で座れるどころか乗るにも精一杯な状況、しかも当時は用地買収の関係で大宮までの暫定開業であったため、立ちっぱなしのままようやく着いた大宮から乗り継いだのが「新幹線リレー号」の185系でした。
185系に初乗車したことよりも「やっと座れた」ことのほうが印象に残っています。

「新幹線リレー号」が運転されたのが1982年から85年の3年間であったこと、振替輸送も含めて、今になっては貴重な体験だったと思います。

■ 後にも先にも今回が2回目の乗車

2019年、伊豆箱根鉄道を訪れた際に185系に乗る機会がありました。特急「踊り子」の修善寺行き編成ですが、三島から修善寺まで乗車しました。特急ですが伊豆箱根鉄道線内は特急料金が不要なため、ちょっとお得な乗り方といえばそうなりますが、すでに意味もなく新幹線で三島まで来ていること自体が問題です。
(ダイヤ改正以降は伊豆箱根鉄道線内に200円の特急料金が設定されました。)


三島駅です。やってきたのはC6編成です。少し見えにくいですが縦ストライプの塗装は今でも斬新です。けっこうスカートが大きいですね。厳密に言えばこちらが0番台となり、リレー号で使用されていたのは200番台で塗装も横線のシンプルなものでした。

5両で組成され2M3T、伊豆急下田へ向かう6M4Tの10両で組成される基本編成に対しこちらは付属編成というかたちで表されます。
伊豆箱根鉄道駿豆線の終点、修善寺まで約20km、MT54の走りはまさに117系ですね。短い区間でしたが185系を楽しむことができました。

兄貴より先に現役を引退しましたが、JR東日本は臨時列車等でもうしばらく運転は続けるそうです。西日本ではまだまだ現役ですが、しばらくは関東の鉄ちゃんもMT54の咆哮を楽しむことができそうですね。

 

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